マスコミは来日した金賢姫氏に対し、元死刑囚とか元工作員という表現を使っていた。
この事について、元死刑囚だと悲劇のヒロインみたいなので、普通に元工作員と呼ぶべきではないかと言っていた人がいる。
なるほど一理あるなと思う。
でも元工作員というと、今は百パーセント工作員ではないという表現だ。
だが、果たして彼女が今も工作員である可能性は一切ないと断定できるのか。
ここからはあくまで一般論だが、彼女のようなケースだと、北の工作員としての洗脳を解くために韓国当局が力を尽くすのは勿論だが、そのまま一民間人にすんなり戻すとは考えにくいのではあるまいか。
逆に、韓国サイドの何らかの工作員として確保しようとするのが、普通のように思える。
金氏本人にとっては恐らく迷惑な話だし、気の毒なことでもあろうが、現実的に考えると、そうした可能性は決して排除できない。
韓国の工作機関である国家安全企画部の元部員と結婚していたのも、やや気になる。
このたびの来日の際、メディアのあらゆる質問に終始、笑顔でスラスラ答えていたのに、韓国での暮らしぶりについてだけは、笑顔も消え、プライバシーを理由に全く答えなかったのが印象に残った。
誤解されては困るが、私は根拠もなく彼女を工作員扱いするつもりはない。
だが、予めその可能性を頭の中から全く締め出して怪しまないというのも、冷静に考えてみると奇妙なことのように思える。